涙は止まらず…3
すごく怒った顔をして、夫は、「それ見よ、どこも悪くなんかなかった」と言います。
「よかったじゃないの」。
私も、ほっと安心しました。
しかし、十一月、また風邪をひきました。
翌年、八七年四月になり、あまりにも体の痩せ方が目立つので、もう一度、別の病院で診てもらうことを勧めました。
夫は、「社長から、二度と休まないでくれと言われている」と言いましたが、自分でも気になったのか、ある日、「今日、N医院に行ってきた。
肺炎を起こしかけているので、点滴を受けに通院するように言われた」と言います。
「肺炎なら仕事なんかしてはいけないでしょ。休んできちんと治して」
と言うと、「休まんでくれと言われているのに、むりに休んだら、雰囲気が悪くなるから」
とくり返します。
私は毎日、夫に今日は医者に行ったかどうかを確かめました。
夫は、「今日は会社から呼びにこられて点滴を途中ではずしてもらったよ」「今日は忙しくて行けなかった」とそのたび、答えていました。
なかなか満足に点滴を受けられないようでした。
そうこうしているうちに、九月になってしまいました。
ある日、会社へ電話を入れてみると、社長らしい人が出て、「この忙しいときに、医者などへ行っている」と吐き捨てるように言いました。
会社側のほうもなんだか理解がないように思いますね。